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講演会・勉強会レポート

2014年10月17日 学校検診・心臓検査結果市民調査報告

 子どもの健康を守る市民ネットワーク代表の黒澤さんに茨城県取手市からお越しいただいて勉強会を開きました。チェルノブイリの教訓、放射能被害は甲状腺がんだけではないこと、データの集め方、集計方法、見えてきた事・・・。「答えはありません」という言葉の重さ、ただデータとしてだけ扱うことはできない子ども達一人ひとり。簡単な文書にはとてもまとめられない多くの事をおしえていただきました。

2014年5月21日 カマレポカフェ@まほう堂

15名+小さな子供さんもたくさん参加して大盛況でした。北信おんの会の方も参加くださいました。)

カマレポの上映後、ケークサレ、黒豆ケーキとクッキー、お茶をいただきながら感想を話し合いました。会員も半数を占める中、和やかな雰囲気でいつもは出せずにいた思いを皆さんたくさん語ってくださいました。

 

りんごほっぺで情報のシェアを続け、このような場所を作ってきて良かったなと強く感じました。

 

まほう堂さんのお店の魅力をお借りして、りんご会員には当日スタッフとしてお手伝いいただき素敵なカマレポカフェとなりました。

2014年2月14日 りんごほっぺの会と医療従事者の方との勉強会★Vol.1

 

「医療被ばくについて 入門基礎」講師 放射線科 荒井 巧さん

医療現場で受ける被ばくと原子力で受ける被ばくの違いをお話していただきました。

 

★りんごほっぺの会からの質問

【医療現場での治療目的の被ばくは、上限が設けられていない】それはなぜ?

 

お答え:

・医療現場での測定機器による被ばくは「受けることによる患者の利益が、健康疾患によりこうむる疾患を上回る」ことを前提に考えられている。

・体の部位(胸、足、手)、体型、年齢などにより、人体に影響のない放射線量が算出されている。 むやみに広範囲にあてないことで、ダメージを最小限にとどめている。(成人の胸部で0.2mSv、CTスキャンは6.9mSvなど) 調べることが患者の利益になるように検査をしている。

どうしてもX線を当てたくない人がいた場合、放射線技師から医師に掛け合い、レントゲンをやめることもある。

CTは様々な病気を見つける、とても有効な手段。 でも最近は医師も聴診器代わりにCTを使おうとする人もいるので、自分がCTに疑問があれば、部分レントゲンで済まないか?と確認してみるのも手。

調べることが健康につながるよう、医療側は配慮していることを認知してほしい。

 

★感想  

担当の方の講義はわかりやすく、質問にも丁寧に答えていただきました。 医療現場の方の考え方がわかり、ためになる講習会でした。

医療現場が市民に勉強会をしてくれることを、初めて知りました。

カーペットを出していただき、子どもを遊ばせながら聞けたのもよかった。

 

第二回勉強会も3月14日に予定されています。次回は甲状腺検査について、実際にエコーを使って検査方法の説明など行います。参加希望の方はこちらからご連絡ください。

 

<レポ:りんごほっぺの会・SM>

2013年9月15日 長野県母親大会特別講座「放射線が心身におよぼす影響~子どもたちを内部被曝から守るために~」

 

2013年9月15日 新婦人の会さんによる長野県母親大会にて、放射線の影響を勉強する特別講座が開かれました。以下はそのレポです。

 

 

会場 長野市 清泉女学院大学・短期大学
特別講座「放射線が心身におよぼす影響~子どもたちを内部被曝から守るために~」
講師 松本協立病院診療放射線技師 中信健康友の会事務局長 宇留賀 康

<基礎知識>
・シーベルトSvというのは、放射線が当たった人間の「発がん」の危険度を表す単位と考えるとよい。
・「放射能汚染」という言葉の使い方は間違い。正しくは、「放射性物質による汚染」と表現する。
・我々は、自然放射線を2.4mSv/年間浴びている。これは、健康に生きるために浴びなければならないものであり、ホルミシス効果と呼ばれている(自然放射線は人間にとって必要なもの)。この、2.4mSvに追加被ばく線量として浴びてよいと!CRP(国際放射線防護委員会)で国際ルールとして決められているのが1mSV/年間。
それなのに、福島では20mSv未満/年間で避難指示解除準備区域になっている。ちなみに、松本協立病院の医療従事者の放射線被ばく量を調べたところ、K技師長:23.2mSv/21年間、消化器医師26.7mSv/10年間、宇留賀先生が1年間思いっきりX線を浴びて5mSv/年であった。つまり、年間20mSv浴びるというは相当な量だと言える。
・1時間あたりの放射線量を年間に換算するときは、24H×365日=8760μSvをかける。
・外部被曝で受けるγ線は、X線とほぼ同じと考えてよい。
・内部被曝で問題になるのは特にα線。紙を通過できないが、体内に入るとずっと放射線を出し続ける。
・α線を出すのがプルトニウム。プルトニウムはサリンと同じくらいの猛毒で、「悪魔の大王」とも呼ばれている。プルトニウムは肺に蓄積されやすく、一度肺に吸収されると体外へ排出されにくい。ただし、消化器系へ入ったものは排泄されやすい。
・プルトニウムがあまり騒がれないのは、ガイガーカウンターなどではγ線しか測定できないから。ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、そしてプルトニウムの内部被曝に注意しなければならない。
・放射線がDNAや細胞膜などの生体分子を直接傷つけることに加え、体内で水分子にぶつかり、水分子が活性酵素にかわり、活性酵素が生体分子を攻撃する影響が大きい。活性酵素は、老化現象やがんを引き起こすため、活性酵素を掃除する心身をつくるように心がけることが大切。
・内部被曝に閾値(これくらいまでなら摂取しても大丈夫という値)は存在しない。
・川崎市の阿部孝夫市長が、セシウムが検出された神奈川県産のみかんを給食でそのまま使用する方針を出した。「危険の中で生活しているということを知ることが大事。このレベルでびくびくする教育をすることが間違い。道路では車にぶつかる危険性があり、すれ違ったあかの他人に刺される可能性もある。だから人とすれ違うな、と教育しますか」とコメント。どう考えてもおかしい。
・何が放射線で正しいかはわからない。我々はチェルノブイリから学ぶしかない。
・チェルノブイリでは無脳児が増えた。福島でも無脳児が増えているという報告がある。ただし、妊婦健診で発覚し堕胎してしまうことが多いので、あまり表面化していないだけ。
・巨大化した植物が増えたのもチェルノブイリの特徴。福島でも、植物や虫の奇形が多数発見されている。
・『チェルノブイリの被害の全貌』の本では、老化現象がすさまじく早く進んでいるという結論がだされている。ちなみに、チェルノブイリ関係の本が出るのはこれが最後と予想される。なぜなら、ベラルーシで新しい原発建設の話があるため。
・松本市長菅谷昭著『原発事故と甲状腺がん』の本では、穏やかな菅谷市長が名指しで批判している人物がいる。それは、福島県立医科大学の鈴木真一教授。
・事故が起きた時に、菅谷市長は福島県知事にヨウ素を配布し飲ませるようすぐに連絡し、福島県も用意をした。にもかかわらず、鈴木教授が「福島は海草を食べているからヨウ素を飲む必要はない」と言って飲ませなかった。結果、18歳以下の子どもの甲状腺がんが現在43人見つかっている。100万に一人と言われる子どもの甲状腺がんがこれだけ見つかるのは異常。

・原発に反対する理由は3つ。①原発から放出される放射性物質が地域住民の命と健康を脅かすから ②地球温暖化につながる「「海水温め機」であるから。③原発から排出される核のゴミの解決方法が全くないから。
・原発は世界で434基、日本海周辺に40基(76の原子炉)、韓国に12基。この100年間の海水温度の上昇は世界で0.5度。一番深刻なのが佐渡島周辺で1.6度。
・原発の熱効率は約30%、残りの50%は海水を温めている(原発からの排出水は+7度、実際はそれ以上だと言える。なぜなら、排水口で測定しているわけではなく、都合の良い場所で測定している)。
・スペースシャトル計画は、そもそも核廃棄物を宇宙に捨てるための計画であった(もちろんうまくいかず頓挫)。
・原発は廃炉も解体もできない。東海原発の解体では、16.6万Kw廃炉に930億円かかった。100万Kwの廃炉に一体いくらかかるのか。
・六ケ所村には、現在収容量の8倍の放射性廃棄物が運び込まれている。
・六ケ所村の再処理のランニングコストは11兆円。それだけのお金をかけて再処理したものは、質が悪すぎて使えないという現状。高知でも再処理工場の話があったが、反対されてダメになった。
・現在安部首相が輸出しようとしている原発の廃棄物は、日本で引き受けるという話になっている?!
・3.11当時の内閣府原子力安全委員長であった東大教授斑目(まだらめ)春樹は「200年後の子孫に任せましょう」と発言している。

<子どもを被ばくから守るために>
・病気や放射線を必要以上に恐れず、自らの免疫力を高める努力を!(過保護は免疫力を低める)
・野菜中心の食事をとることで、免疫力が高まる。
・体内のエネルギーの94~95%を生み出すミトコンドリアを元気にしてあげることが免疫力UPにつながる(ミトコンドリアの対局にあるのがガン細胞と考えるとわかりやすい。)
・良質のミトコンドリアは、活性酵素を少なくし、免疫力を向上させる。
・36.5℃以下になると、ミトコンドリアの動きはとたんに鈍る(がん細胞は35℃台で活発化。がんの人は低体温の人が多い。)。体温が高い方がミトコンドリアは活発になる。お風呂が気持ちいいのはミトコンドリアが元気になるため。
・ミトコンドリアは、持久力を司る筋肉に多く存在しているため、うっすらと汗をかく程度の運動をすると大変よい(綺麗な姿勢でウォーキングなど)。
・体温が1℃下がると、免疫力が60%下がると言われている。
・栄養素はミトコンドリアに蓄えられ、酸素と反応してエネルギーを生み出す。そういった意味で、酸素を取り入れることは非常に重要であり、マスクばかりしているのは逆効果といえる(新鮮な酸素が免疫力を高める。マスクをすることと酸素の血中濃度が下がってしまう。)
・朝起きたら朝日をしっかり浴びてセラトニンを出してあげる。そして、胸郭をしっかり広げて酸素をしっかり取り入れる習慣をつけるとよい。
・認知症予防には①しゃべる②上半身運動(ノルディックウォーキングなど脳に血液を送る鎖骨下動脈を動かす運動)③昼寝(20分)
・バランスボールもよい。

<最後に>
・安部首相のオリンピックスピーチ「健康に対する問題はない。今でも、現在も、これからも。」これと全く同じような言葉「福島原発事故による健康被害者は現在も未来にも一人も出ない」を、2012年のWHOの総会で、放射線医学総合研究所理事の明石真言(あかしまこと)がスピーチしている。非科学、非誠実さに怒りがこみ上がる。
・全世界の原発撤退を願う。

 

 

2013年2月7日 市政出前講座 給食について学ぼう!2

 

昨年夏開催した出前講座の第2弾「給食について学ぼう!2」。

いつものまちカフェ2階畳室で、子供達の大騒ぎの中、内容の濃い質疑応答が繰り返されました。

 

講師として来て下さったのは、長野市教育委員会保健給食課のお二人と、保健所で測定に係わっている方の計3名です。

「給食用食材の放射性物質検査について」という資料を見ながら、まずは現在の検査体制(一般市場流通食材、給食用食材、県のモニタリング事業)について、検査対象、検査の流れ、結果の取り扱い等についてご説明いただきました。その後質問事項について回答していただきました。

以下に質疑応答の大まかな内容を書き出します。

 

Q:昨年9月の請願(詳しくはこちら)が採択された結果はどのように反映されているか

A:週2日の測定が、今年1月から週5日に増えた。測定の専門スタッフ1名。

  その他は請願前も可能な限りのことをしている。

 

Q:検出下限値がセシウム合算25ベクレル(各12.5ベクレル)は高すぎるのではないか?県は都度検出下限値を表示しているのに何故市では下限値が一律なのか?

A:県の機械とはメーカーが違う。あくまでスクリーニングのための機械。下限値各12.5ベクレルを上回らないようにという基準で検査している。下限値は中央値であり、数字自体の信頼性低い。

1ベクレルまで測定するには20-30時間必要。現実的ではない。

 

Q:保健所も市政も国のニーズに応えているのであって、私たちのニーズに応えようとしていないのでは?

A:国から貸与された機械なので国が示した方法を示している。検査の方法が本質的にどうなのかはわからない。

 

Q:加工品の検査はできているか

A:味噌、醤油は米国産大豆。兵庫県産の塩は測った。色々な産地の食材が混ざっている場合公表の仕方が難しい。調べがつき次第順次やっていきたい。

 

Q:牛乳の測定状況は?

A:市の機械では測れない。メーカーで自主検査をしている。県で原乳検査をしている。モニタリング検査に牛乳が相当量含まれるので、安全性が担保されているものと思う。

 

Q:測定者に必要な資格はあるのか?

A:ない。ある程度機器分析の知識があるものがスペクトルをチェックしている。

 

Q:昨年夏から給食に干しシイタケが使われなくなったのはなぜか。

A:変なものは使っていなかったが、過去の事案や不安の声を加味して、現場で配慮しているよう。

 

Q:第四給食センターについて。

A:現在のセンターが古くなってきている。給食は止めるわけにいかず、敷地上建て替えは難しいので場所を探していた。配送時間や周辺環境の問題。R18、村山橋付近のうちっぱなし跡地が候補地になった。詳細は未定。

 

Q:放射能検査済み証明書を出しているメーカーが優先されるのか。

A:証明書は原材料表を要求した時付けてくるもの。農薬や衛生関連資料も含め、優良なメーカーにお願いする。入札の最終決定は、小規模調理場では栄養士。センターでは栄養士+事務職員。入札業者は県の斡旋もあるが、条件が厳しい(決められた時間に決められた量を持ち込み、規格、異物、衛生管理についてうるさい)ので参入できる業者は限られている。

 

Q:給食の自校化は?

A:配送しなくていい、放射能対策し易いなどメリットもあるが、長野市はセンター化が早く40-50年経つので、今から各学校に調理場を確保するのは難しい。市の方針。

現在9カ所の調理場で80校。3センターで61校分の調理。どんなに規模が大きくても栄養士は3人と決まっているので、規模の大きいセンターは栄養士の負担も大きい。

 

 

2012年10月25日 湘南パパさん勉強会

Twitterやブログで情報を拡散し、放射線に関する勉強会を各地で行っておられる湘南パパさんをお招きしてお話を伺う会が、10月25日、長野市民測定所・市川さんの主催で行われました。

まずは、自分や子供の周りの放射線量を測定し、大雑把に自分や子供がどの程度被爆しているかを捉えることが大切。その上で、どの程度受容できるかを考えていく。
科学が行うのはリスク評価まで。そのリスク評価を知り、自分がそのリスクをどのように管理していくかという「リスク管理」が大切!

リスク管理を行うために、まずは自分や子供の被曝量を計算することが第一歩
☆自然由来の年間被曝量1.4mSv~2.4mSv(この差は統計上にはっきりした形で示せない)がすでにあると考え、311事故の影響によるものは上乗せ分としてせめて1mSvに抑えたい。

<子供の被曝量を知るために、まずやってほしいこと>
外部被曝の把握

・線量計を買う 
・土壌を測定する 
・通学路を測定する(平均を出す)
・ライフスタイルを書き出して、一週間の平均をとる
※その上で、食品からの内部被曝を考える

 

 

<外部被曝の計算>
長野の屋内はだいたい0.07μSv/h 
※この値は地域によってほぼ同じ。なぜなら、屋内の放射線量は99.9%建材由来であり、地域の建材(砂利)はだいたい同じ場所の建材(砂利)を利用するためどこも同じになり、空間線量の値が近くなる。

・建材は絶えず放射線(ラドンなど)を発しているので、部屋を締切ることはよくない。朝起きたらまず換気、最低1日2回は換気を行う。
・洗濯物は外干ししても大丈夫。(放射性物質が付着しているかもしれない)砂埃は、たたけば落ちる。

 [外部被曝の計算例] 学校に通う子どもの場合(数値は仮定)
屋内0.03μSv/h × 14h=0.42μSv/日…①
校舎0.04μSv/h × 7h=0.28μSv/日…②
屋外0.05μSv/h × 3h=0.15μSv/日…③
①    + ② + ③  =0.85μSv/日  
実際の外部被曝の積算量は年間 0.85×365日=310.25μSv・・・A

 

 

<内部被曝の計算>
食品1bqのセシウムの「預託実効線量」を利用して計算する。
 

※預託実効線量とは
外部被ばく線量を考える場合、放射線にさらされた期間だけを考えればよい。しかし、内部被ばくの場合は、放射性物質が体内に取り込まれてから排泄、もしくは、減衰するまで臓器が放射線にさらされるので、その期間の線量を計算する必要がある。成人の場合は摂取後50年間(子どもの場合は70歳まで)に受ける線量を最初の1年間ですべて受けた(預託つまり貯蓄:一度に預けた)と考え、それを預託実効線量もしくは実効線量と表現する。
※預託実効線量は、ICRPが出しているものと、ECRRが出しているものと2種類あるが、ECRRの方が若干厳しく設定してあり、ECRRで計算する場合はICRPの数値を2倍して計算するとほぼその値になる。
※ストロンチウム、プルトニウムはセシウムがあるところには必ずあると考える。ただし1000分の1位の比率と考える。

ICRPの実効線量係数(単位μSv)
         3ヶ月  1歳   5歳  10歳  15歳
セシウム137   0.021  0.012  0.0096    0.01     0.013
セシウム134      0.026    0.016    0.013     0.014    0.019

[内部被曝の計算例] 
仮に子どもが一日に1bqを食品から毎日摂取し続けた場合(※ICRPの実効線量係数使用)
1bq(1日の摂取量)×0.01μSv(仮の実効線量係数)×365日=3.65μSv/年・・・B

呼吸器経由で体内に入った時についても同様に計算する
ICRPの実効線量係数(単位μSv) 体への蓄積が少ないので値が小さい
※砂埃として吸い込んでも、ほとんどは異物として外に排出される
         3ヶ月  1歳   5歳    10歳  15歳
セシウム137   0.0088  0.0054  0.0036    0.0037    0.0044
セシウム134      0.011    0.0073    0.0052    0.0053    0.0063

仮に75bq/kgの土壌を1年間に200g呼吸器経由で摂取したとすると、
土壌 75bq/kg×1/5kg(200g)=15bq ←1年間に吸ってしまう量と考える
   15bq×0.005μSv(実効線量係数)=0.075μSv/年
吸い込むのは表面の土と考えると、地表から5cm下を測定した測定値よりも実際に吸い込んでいる土壌の値は高くなると考えられるので20倍すると 0.075×20=1.5μSv/年…C

 

 

計算したA,B,Cの3つの値を足すと年間被曝量の値が算出される
310.25(A)+3.65(B)+1.5(C)=315.15 μSv/年

315.15 μSv/年 をmSvに置き換えると約0.3mSv/年
多く見積もって2倍しても約0.6mSv/年 の被曝量となる。

 

 

まずは現実のリスクを知り、日々の様々なリスクに対して、自分なりに対応していくことが大切。

被曝は少なければ少ない方がよい。無理ない範囲で上乗せ被曝が少なくなるよう努力していきましょう!(^^)/

 

 

■おすすめ本
やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』朝日出版 田崎晴彦著

※著者の方がHPでPDFを無償公開しておられます。こちら

 

<レポ・りんごほっぺの会 HS>

 

 

2012年9月22日 杉木悦子さん講演会「内部被ばくを避ける食べ方と、生活のすすめ」

「大町の給食を考える会」主催による、子どもたちの食の安全と安心を守る活動をされている塩尻市立広陵中学校栄養教諭 杉木悦子さんの講演。

大町市の給食への食品放射能対策の現状についても学びました。

 

 

1)大町市 荒井教育長のお話

 
当初は空間線量に重点をおいてきて、内部被ばくへの関心は低かった。

しかし、勉強をしていくにつれて、福島原発からの放射線物資は人体へのリスクを十分に分かっていないから不安だと思いはじめた。

現状対策

  1. 給食食材の産地公開。(後日報告、後追い検査)
  2. 産地選定の優先順位 ①地元産②できるだけ安全な地域③東北、茨城関東。 ②、③に関しては検査をしている。1週間に2品目。8月末まで80品目実施。
  3. 産地選定だけでなく、取引業者や農協、生産者をデータに残していて、今後活用していく。


質問 取引先データーを他県とシェアできないか? 
A 大町は自校給食。他県の大規模なセンター給食の数に対応できるか分からない。

質問 地産も積極的に検査してほしい。
A 今後、消費者庁から借りる機械で検討はしていきたい。

質問 前日に食材を手に入れられないか?
A 市場が近くにない故にできない。松本に打診してみたが、現実的に難しかった。

※質問以外に、大町市民から「お願い」の声が多く届いていました。

 

 

2)塩尻市立広陵中学栄養教論 杉本悦子さんのお話

① 放射線被害とは「毎日新しい傷をつくる」ということ。

「新しい傷」を修復再生するのに必要な事

  1. 睡眠 夜22時~3時の間に、メラトニンホルモンがでて、細胞を修復し、再生する。
  2. 朝食を食べる 米にあるブドウ糖が脳に運ばれ、体が活動する。生体時計(25時間周期)がリセットし、24時間とされる。
  3. 汁ものはだしをとること。昆布にふくまれているヨウ素を取り入れることによって、放射性ヨウ素を取り入れないことができる。内部被ばくから守るには一人昆布1gのだしで十分。
  4. たんぱく質は体重1kあたり1g~1.3gで十分。大人はさんま1匹を二人で分けるぐらい。子供はハンバーガーミートなら3分の1で十分。日本人は動物性たんぱく質を採り過ぎている。タンパク質は消化分解するのに腎臓、心臓に負担がかかる。カリウムと同じように体に取り込まれる、セシウム137も心臓や腎臓に負担をかけるので、たんぱく質の摂取量を気をつける。
  5. ストロンチウムは血液を作るカルシウムと同じように体に取りこまれる可能性がある、カルシウムは牛乳でおぎなう。成人ならば一日200cc一本。意識してカルシウムを取りいれるようにする。


人は川の流れのように、毎日新しく生まれ変わっている。
日々の睡眠、生活リズム、食生活が一番大切。

質問 牛乳はアトピーの原因や、牛の赤ちゃんのミルクだから人間にはあわないと聞いたことがありますが、どうお考えですか?
A 牛乳が牛の赤ちゃんのものならば、豚は誰が食して良いものか?菜食主義の方には牛乳は勧めない。なぜなら、その生き方を選んで殺生をやめているから。そうでないのなら、少なからず殺生していることに変わりはない。栄養士としてみると牛の母乳は栄養素が完璧。区別する考えより、摂取する利点を勧めたい。アトピーは牛乳が原因ではなく、食物繊維が足りない。牛乳のたんぱく質が直接腸内に吸収されるため、刺激が強い。

 

②給食センターについて。

給食センターはチェルノブイリの放射性物質除去対策と類似している。

  1. 洗う 3シンクにかけて流し水で野菜をあらう。
  2. ゆでる、水にさらす。 タケノコ ごぼうなどあく抜きする。 

処理の仕方で検査結果がゼロになる。

質問 水洗いの塩素消毒がきになります。それについてどうお考えですか?
A 0157が流行した時に国から指定されたが、広陵中はしていない。野菜の洗い方に気をつけている。生野菜は出さない。ゆでている。ミニトマトは検査にだして安全を確認している。
塩素水洗いが嫌な子供へは、分けて配慮している。

質問 規定外の大きさの野菜は入札されないのですか?
A それができないのは、調理師のスキルと給食に携わる学校ごとの連携がなっていないからでは? 塩尻では野菜の大きさについて連携がとれているから対応している。

大町は雇用が8年でかわる。税金を正規雇用に当てて、子供を守る職員の教育にあてるのが望ましい。 
センター給食から自校給食にもどしていくのが望ましい。20年すればセンターも劣化しているので、随時自校へ変更していくのが望ましい。

 

③塩尻市立広陵中の活動

・塩尻市は教育委員会に専属学校栄養士がいる→各学校を回り、教育委員会と学校給食のパイプ役になる。
・給食運営委員会を発足している。(保護者も参加できる)
 ※給食運営委員会は県から作成を示唆されているものだが、学校への認知度が低いためつくられていない学校が多い。給食費滞納検討以外にも、給食、こんだての方向性の決定。食材の産地選定ができる。広陵中はこの委員会があることにより「福島、茨城」「その他ホットスポット」以外の食材選定を可能にしている。

  • 20bq以上でたら使わない。事前検査で食材を止めておける。
  • 西の食材だから安全とは言えない。測定したら九州も同じ、熊本のしいたけも同じだった。
  • 茨城産のネギしかなかった時は使わなかった。
  • ノルウェイ産のししゃもも日本海のししゃもも測定したら同じ数値だった。
  • さんまは北海道産までにしている。静岡県産のしらすはやめた。
  • 干ししいたけは使用していない。しいたけは原木を使うので安全性が確立できていない。 
  • だしは鰹節とコンブ。
  • きのこを献立にいれなくてはいけない決まりはない。使用しているしめじやえのきは直接農家に出向いて、菌床を検査測定して、ゼロなところから仕入れている。
  • 牛肉は扱っていない。
  • スキムミルクはパンには使用しているが、その他に使っていない。
  • しょうゆ(http://www.s-shoyu.com/ookubo/ 一升1600円)など、事前に調達できるものにもこだわっている。故に加工デザート業者発注する余分な予算はない。どこにお金を使っているか考えた方がよい。
  • 魚は業者発注。放射性物質検査データをもらう。

 

 ④長野市への働きかけアドバイス

質問 時間がない という職員へはどう対応すべきか。
A  「日時 部署 職員名」を確認、記録にのこす。不誠実な対応を公表して、働きかける。

 

情報開示、データーの公開をしてもらう。→HPで公開する。
情報を市民でシェアしていく。
きのこは長野市は地産地消対象だからこそ、現地に赴いて測定して、安全性を確保するよう働きかけてもらえるようお願いする。
議員は書類提出開示請求の職力があるため、同じ意識の議員さんを味方につけるのはいい。

質問「国の安全基準に沿っているから」と、言われる
A 「国の定めた安全値はしきい値のない直接反応関係を前提としており、そのうえで作られた安全基準は、原子力原発で電気をまかなう限りこのくらいの被爆は我慢しなくてはならないというものです。それに沿っているとおっしゃるならば、安全性のデータを出して下さい!」と言う。そんなものは存在していない。未来の子供達を守る為にはより安全な給食を提供できるよう。大人は努力するのが望ましい。

 

<レポ:りんごほっぺの会 MT>

2012年6月14日 市政出前講座・長野市給食セミナー

私の中では「給食は(やっぱり)安全じゃない」

と再認識する残念​な結果になった。
 今の体制では、子供に給食たべても大丈夫と言えないです。

給食食材は基本国が定めた基準値に基づいて安全性が確認されてい​る。
 シンチで再検査しているものは産地によるランダム測定で、測定時​間も20分と不確かなデータになりやすい。 優先的に放射性物質​を取り込みやすい食材を選んで測定している訳ではない。 加工品​は実施していない。(今後測定していく予定だけど、明細は未定)
 契約農家や業者と放射性物質に対する認識の連携がとれていない。
 係の方が献立を作成する栄養士さんと連携がとれていない。
 きのこは業者の検査結果証明書のみ。
 などなど

次の目標は現場栄養士さんと繋がる事。
 今日、学校の給食担当先生へ
 「給食の栄養士さんが決める献立、放射能汚染の可能性のある食材​、調味料の使用についての栄養士さんの考えを、保護者が話を聞け​る機会を頂けるよう教育委員会給食課へ要望を出して下さい。」と​連絡ノートに書いた。

扉は叩き続けたほうがよさそう。

良い事も沢山あった。

同じ三輪小のお母さんが参加していて、情報交換になったこと。
 同じ想いのお母さん、お父さんがいて励みになったこと。
 皆さんの想いが、給食課の担当者へ伝てたこと。

伝わったかは不明だけれども・・・。

オフィシャルな立場上、ここまでの発言しかできない。と言ってい​た担当者。
オフィシャルな部分のしわ寄せを子供に向けないでほしい。

 

<レポ:りんごほっぺの会 MT>

 

2012年6月3日 関口先生の放射線勉強会 in 小布施 第2回

日本は低レベル複合汚染地帯。
「基準値」社会→ここまでなら汚してもよいという基準の国。

放射能は生体防御機能を壊す。
それは、その人の年齢や体質、生活習慣によって個人差が出る、基準値による安全性などない。
生体防御機能の一つでも放射能の影響を受けたら大丈夫の保証はない。

汚染を避けるだけは、対処療法と同じで根本の問題解決にならない。
土壌や水を測定する、仲間を集う、自治体に声をあげる、地方議会から目覚めていくことで国の政策が変わる。

環境科学の専門家の関口先生のお話は研究結果、自然がSOSを出している、そのSOSの裏には人間の無責任が行動が原因になっているとお話してもらえました。
身近な自然が壊されてると知ってショックでした。
だからこそ、子供達へツケを残さないためにも母は頑張らないと、と思いました。

 

 

終了後(先生を囲んでのお話)レポ

 

予防原則とは対症療法でなく根治療法。
放射能では原発をなくすこと。

放射能だけではなくてごみ問題による河川への水銀や重金属汚染も国の政策を変えないといけない。

給食は食材を測定する事、測定台数を増やすこと、産地協定を組み、その産地の土壌と水を定期的に測定してして安心を得ること、食品放射能測定の管理態勢を整えること、測定はだれでもできるように教育していくこと。
まずは給食からを変えていくことが大事。

日本で汚染されていない地域はない。64bq/kgから300bq/kg薄く積もっている。逃げるところはない。
長野で200bq/kgの土壌は普通。妙高は先生が測定した場所は桃源郷のように汚染が少なかった。
作物を植えるのに心配な場合は、畑の土を深く天地返しするとよい。

畑の土壌を測定する事はいいけれど、その数値が高かったらどうするか、しっかりと自分の判断基準を定めて測定、行動に移さないと、周りの言葉に流されて精神的につらくなるだけ。
自分の判断基準軸をつくること。

子供達に被害はでるだろう。
活動に協力してくれる医師や弁護士を探す事も大事。

女性が立ち上がるとき。
フランスの市議会は50%は女性は参入する決まりがあるくらいだから、声をあげてたちあがるべき。

昔の日本は女性に発言権がなかった、戦争時に発言するこは男子でも体の一部をとられたり、命を落とす危険があったが、今はそんな恐れがない自由な時代だからこそ、飛躍するべき。
日本は戦争に負けた時に「もう同じ過ちは繰り返さない」と言ったのに、過ちを繰り返そうとしてる、これで変わらなかったら日本の未来はない。

頑張れ!!

とのことでした。

講演終了後も5時半まで囲み取材にも快く答えてくれました。

次回は壊れる社会、真実を見抜くために です。
現場で働いてきた関口先生だからこそ、真実を嘘を見破れるのだと思いました。
楽しみです。

 

<レポ:りんごほっぺの会 MT>

 

2012年5月26日 「内部被ばく」こうすれば防げる!漢人明子

「小金井市に放射能測定室を作った会」メンバーであり、現在小金井市の市議である漢人明子さんを招いての勉強会(みどりネット信州主催)。

 

1,新たな放射能汚染とむきあう 

2,小金井市放射能測定室のとりくみ 

3,4月からの食品安全基準値について 

など、20年間の経験をもとに、放射能対策のポイント(「測る」「避ける」「動く」を教えていただきました。とても理解しやすい内容でした。

放射能汚染は各家庭の台所での対策だけではどうしようもない問題。個人でストレスを溜め込まないで逆に発信する!

内部被ばくはちゃんと体制をつくれば避けられる、避けましょう!と訴えること。

勇気をいただきました。

 

<レポ:りんごほっぺKN>

 

「内部被ばく」は知れば知るほど避ける事が可能。まずは、「測る」ことにより事実を冷静に知ること。それから、「避ける」事ができ、自治体に対して「動く」事ができる。
動くことは「変える」と同義語に感じました。
日々のわからなさの不安からの解放は、仲間を見つけ輪を広げること。
諦めないこと。声をだすこと。
小金井市で21年間測りつづけた漢人さんの実績は勇気をもらえました。

 

<レポ・りんごほっぺの会 MT>

 

 

 

漢人明子さんのお話


専門的な知識よりは、どんなふうに向き合っていったらいいか。という視点から大事だと思うこと。
1、新たな放射能汚染と向き合う
①    福島原発事故による放射能汚染
 ⇒長く付き合える、付き合い方を(s137半減期30年)
 事故後のテンションを保ちながらやっていく。
去年は緊急事態だったが、これから付き合いは長くなる。

 

②    さらなる新たな汚染を引き起こさない。
 ⇒原発稼働ゼロの継続→安全な廃炉へ
  世界レベルでも、広島長崎を経て福島の事故なので、世界へ発信していかないと。
  日本がいくら安全にしても隣国中国なども脅威。

 

③    放射能の健康リスク
 ⇒Ca(癌)だけではない。全体的に健康レベルが下がる。
 ⇒リスクは放射能だけではない。農薬や添加物まで総合的にみること。
  戦争、年金など、いろんなことを含めて人は生きていくので、そこに加えての新しいリスク、という認識を。

 

④    内部被ばくを避ける
  被ばく弱者に対して、内部被ばくを避ける。(幼い子供、有病者、高齢者)
 去年は降り注いだ生鮮野菜について、だったが、これからは加工され流通していく、という意識をしていくこと。全体的な流通を監視していくこと。

2、小金井市(11.5万人)放射能測定室の取り組み
1986年 チェルノブイリ原発事故
     最初は良く結びつかなかったが、翌年になってから輸入されるようになってきて、

     事故2年後から、陳情書を出した
1988年 陳情を市議会が採択
     「市民の健康を守るため、市として食品の放射能測定ができるようにしてもらうこと

     を求める陳情」
      議会は全員賛成で採択される(お母さんたちが赤ちゃんをおぶって全議員にあいさつ

     に回ったりなどの地道な努力が裏にあった)が、議会と市の判断がばらばらでなかなか

     進まなかったので、団体を作って市と交渉をするように。
     市の本音は機械の問題というより、職員を付けることが(予算上)問題だった。測定器

     を買っても市民が測ってほしかった。市民となる親たちには無理という声があったが、

     神奈川県の藤沢市で、市が機械を購入し市民団体が測っていた前例があったので、それ

     をモデルとして検討して準備をし、
1990年 市が測定器を購入
     市民団体設立/秋、測定スタート
     最初は市民からの申し込み(小金井市在住通学通勤の人対象)もたくさんあったが、

     次第に減っていった。だが、NDである、という証明をしたいということでモチベー

     ションを保ち続けた。測定を担っているメンバー7~8人で役割をわけて、定例会を

     設けて情報共有、運営してきた。

小金井の測定室の特徴は
     小金井は検体が200cc。21年前からで古い機種だが、東大でも同じものを現在も

     使っている。

     測定データを公開している。この公開に関しては、小金井市放射能測定事業取扱要領

     第11条(紛争の解決)に基づき、協議会で責任さえ取れば公開してもいい、ということ

     になった。苦情もいろいろくるが、「私たちが責任を取りますから」と言うことで認め

     られた。(藤沢市は当初から測定結果を公開していない。測定を依頼した個人が商店や

     生産者に確認が取れてからならOK。)
     小容量測定 200cc 測定時間 6時間 は、最初の設定からそうしてもらった。

     市民が検体を持ち込む、市民ボランティアが測る。から。母乳だって1Lでは大変。

     測定時間が長いようだけど、市民だからいいか(朝と夕方に当番が行けばいい)。  

    職員だと意識が維持されない。市民がしっかりかかわることで、事業として続けられた。
 
3、4月からの食品全基準について
4月からの食品安全基準値でも、高い。
放射能は閾値がないので、「0がいい」って思っていていい。0を目指すべきだ。
基準値は流通全てをカバーしていない。

上記新基準値は
①    内部被ばくを前提としている
 低線量被曝のリスク(免疫力・体力の低下、流産増加など)の想定がない。
②    準の食品を一定の割合で摂取した場合の被ばく線量が一番影響を受けるのは、13~18歳の男子。食べ盛り(厚生労働省のHPが情報源。)
↑(会場から)これを中学校のPTA会長に示したら?福島の病気のグラフと相関していると思う。
③    給食の基準値がない。 別に作って、国としても行政としても努力すべき。
   Q、漢人さんは、基準はどのくらいがいいとお考えですか?
    A、「0を目指します」でいいんじゃないか それを求めていく
      実際のところではどう駆け引きをしていくか
      (会場から)ちなみに大町では「検出されたら使わない」(給食の検討委員会)
       →長野もそうなっているが、きのこなどは業者に測定結果を提出させているだ

        けで、実際では調べていない。
⑤    水産物への言及がない
 魚介類のピークは1~2年後。ためやすいストロンチウムのことが含まれていない。
⑥    経過措置の設定がある。 
 ※米・牛肉は9月30日までは経過措置。大豆は12月31日までは、高濃度汚染食品の流通が続く。など     
消費者の健康リスクより、市場の流通を考えているこの新基準はおかしい。
市民測定の中でもっとチェックして、それは受け入れられない。としていくべき。

おまけ 食品成分表に見る野菜の栄養価の変化
    食品成分表に見る野菜の栄養価は、50年前と比べると半分程度に下がった。
    日本の農業はどういう状態なのか、まで考えないと、農業自体が、大元から崩れていってしまう。

質疑応答:


Q、他の議員とのギャップをどうやって埋めていくか。(北信地方の地方議員さんから)
 A、去年6~7月くらいまでは、小金井で測っているから小金井の野菜から数値が検出され、買い控えがあって、なにしてるんだと声があったが、現在では「測ったほうが安心」という空気は出てきた。


Q、確実に、これだけの内部被ばくがあれば、こういう被害がある、というデータがあればいいのだが・・・
 A、それは難しい・・ 法律で認められている添加物・農薬でも、できるだけリスクを避けたい。 選択できる情報があるように、これから徹底していきたいよね~
  (大町では)事前測定始めるが、理解のあるところ・話が分かる人を教育して、資料をレポートするとかDVDを持っていくとかして、誰か一人でも後押ししてくれる人がいれば、話は進む。
  (漢人さん)議員回りをしっかりしていくこと。市民が素朴に訴えること。それぞれの状況の一番の方法で。

福島の市民放射能測定所理事長丸森さんと雑誌で対談したが、これから流通品の方も測定していく必要があるという認識だった。福島産の物でも測ればNDのものもあれば、一般の流通の物でも検出されるものがある。

Q、ここのなにかから出た!ってなると、そこの商品を避けちゃうのですが、、
 A、普通の流通はまだ信頼できないかな 産直や生協などを利用するか?

Q、気にしてない人に話をしようとすると、マイナスな話ばかりになっちゃうのだが、自分たちの思いとしては、希望のあることを伝えていきたいのだが、どういう伝え方をしたらいいか?
 A、怖いんだよ、でいい。日本で54基、中国で130基。日本で止めないと中国で止めるってできない。世論調査をしてみると311以降、原発は必要か?と聞かれて7割の人には「原発止める」という意識が、問われればある。311以降は、何にも動いていないようで、実はその前と比べるとかなり大きいムーブメントになってきているから。

Q、給食の一番いい測定方法
 A、データ的に出そうなもの、は、事前にはかるのがいいと思う。ものによっては使う前にサンプル的に業者からとってみて測って・・・ってできればいいんじゃないか
    全部測るのは無理だったら、出るものと出ないもの、使う量、で決める。
    食べた後測るのは、あんまり意味がないんじゃないか。

Q、外食した時に、きのこを避ければ食べていいか? 出せばスープ食べていいか?
 A、そりゃきのこを食べない方が低くなるとは思うが、食べるからには美味しく食べましょうかね・・

結局は個人のところで考えても仕方ない。流通の仕組み自体を変えていくなどをしないと。
怒りは外に向けよう。

Q、署名を集めても、小中学校のお母さんたちの署名が集まらない。実際に給食を食べるお母さんたちにどうやって伝えていくか 地道な口コミか? 懇談会で発言しても、いろんな考えのお母さんたちがいて、かみ合わない人もいる。どうしたらいいか。
 A、公なところでいうことで、いろいろな声を受けはするが、声を上げない人でも共感できていることもあるかも。とにかく発信すること大事。小金井でも幼保の保護者の方が動きがあって、同じようなことをしている。

Q、市の給食担当と話して、知識はあるし、それなりに考えている。だが、風評被害もあるし、と・・
 A、小金井は自校給食だから、各お母さんたちが校長先生に交渉に行っている。

 (会場から)これからPTA主催で行われる勉強会などでやっていかれるといいのではないでしょうか。正しく知って、正しく怖がること大事じゃないか。未来の人たちのためには、安全な食品を譲っていかなくてはと思うんです。
 (会場から)全国的につながったらどうですか?お母さんたちが立ち上がる。全国的につながることだってできる。口に出して言っていく。地道にやっていく。変わるには年数がかかるが、少しずつ少しずつ・・ レッテルを貼られるが、し続けていく。訴えていく。
 (会場から)大町のお母さんは成果を出しているから勉強に来て。

以上。

感想:
このようにまとめてみると、子どもたちに安全な給食を食べさせたいと願いながら、なかなか前に進んでいかない私たちの気持ちが、このレポートをご覧になったみなさんにも手に取るようにわかっていただけるのではないでしょうか。
でも、漢人さんのおっしゃるように、この問題は息が長い問題。30年経ったとしても、セシウム137は半分にしかならない。私たち親は子どもが成人して、願わくはパートナーを見つけるまで生きていられたら本当にありがたいと思うけれど、子どもたちはこれから成長し、子どもを産み育てていく存在。わが子も、隣の子も、隣の隣の子も、みんな元気でいてほしいと切に祈ります。 そのために何が必要か。
できることは無数にあるようでいて、実はごく限られたことだけしかないのかもとも思います。 だから、できることを今、精いっぱい整えていってあげたいと思います。

この文章をご覧になった方、どうか、一緒に、手をつないでくださいませんか。 半歩だけ前に、出てはくださらないでしょうか。
一人だと苦しくて、知らないほうが良かったと思うこともあるかもしれません。でも、あなただけではないんです。 私も、りんごほっぺのお母さんも、普通のお母さんなんです。
普通のお母さんが、わが子が心配で、どう生活していったらいいか不安で、祈るような気持ちでつながってきたお母さんたちです。
一緒に考えていきましょう。 きっと、そうすることから希望が見えてきます。

 

<レポ・りんごほっぺの会 KM>
                           

2012年5月17日 キッズアース主催 松井英介Dr勉強会

松井先生のお話

・放射線と電磁波は同じように、対策が必要です。
・放医研の成り立ちを考えると、放射能に対してなぜ安全というのかがわかる。
IAEA、ICRP、WHOも同様。歴史を振り返ってみてください。
・放射線被害に関してはECRRを参考にすべきです。
・γ線より、α・β線が分子を、染色体を切断していく→病気・遺伝子異常になる。
・上記の理由からドイツの研究で、原発の50㎞圏内は危ないと言われている。
  小児がんは3~4年後に、乳がんは10年後に増加している。
(↑日本でもチェルノブイリ後に増加している)
・バンダジェフスキー氏が、ベラルーシではセシウムが心臓と甲状腺に蓄積し、
心電図に異常をきたしていると言っている。
・福島で妊娠6週で311が起き、被ばくした後北海道へ避難した母から生まれた子供が、  早産で生まれたが、心臓に欠損有。(現在経過観察中)
↑放射能は関係ないとは言い切れない。

予防として、
・食材などのBq値をきちんと測り、タイムリーに公開すること。
・これまでの化学物質・放射性物質などの汚染に、今回大量の放射線が加わったことで複合汚染になったという自覚を持つこと。
・高精度の検診と診察を続けていくこと。そして、それは無料化を目指すこと。
・医食同源であるので、調べて、選んで、食べていくこと。

多くのお母さんたちは、311以降、protect(守る)姿勢できたが、protest(責任追及)をしていくことへ発想を転換しよう。
バズビー氏は自然放射線量+0.1mSV/年以下に抑えるように推奨している。できないなら避難しましょう。
パブリックコメントを出すことは大事です。また、(1%の富裕層ではない)99%の私たちは手をつなぎましょう。

質疑応答

Q、空気中に巻き上がる放射性物質が心配なのですが・・・
 A、線量が高い所は取り除くことが必要だと思います。それはお母さんたちではなく、N95マスク程度はして、専門家がするべきだと思います。そのための基金を作ることも大事です。

 

Q、小学生をお子さんに持つお母さんから、田植えはどうしたらいいでしょう_と相談を受けています。松井先生ならどうされますか
A,岐阜県など、汚染が低い所へ行って、そちらの小学校と交流しながら田植えを
したりするのはどうでしょう。

 

Q、都内から自主避難してきています。むこうでは喉がいがらっぽいなどの症状がありましたが、先生はこれは放射性物質によるものだとお考えですか。
 A、その可能性はあると思います。

 

Q、放射能が心配と医師に相談しても、理解してくれるお医者さんがいません。先生は長野県内でどなたかご存知ですか?
 A、長野県内では今のところ思いつかないので、アンテナを高くしておきます。また、例えば保険医協会などに勉強会をお願いしたらいいと思います。他県の保険医協会でも私は講演をしたりしておりますし、理解をしてくれる可能性のある団体だと思っています。本当は医師会がもっと動けばいいと思うのですが・・
また、放射能測定などについては、自治体にきめ細かく調べられる環境を整えさせることが市民の役割です。

 先生の「protectよりprotest」は、その通りですが、幼い子どもたちを持つ私としては、やっぱりprotectも同じように大事にしていきたいと思いました。Protestばかりをしていて、気が付いたら子どもたちに症状が出ていた、じゃ、あまりにも悲しいと思うので。
親の関心のあるなし、経済的に余裕のあるなしに関わらず、みんなが笑顔で大きくなれますように。だからりんごほっぺもキッズアースも頑張っているんだと思います。

松井先生の講演内容についてもっと詳しくお知りになりたい方は、是非、先生のご著書『見えない恐怖』、また、先生や関口鉄夫さんが入っていらっしゃる、市民と科学者の内部被ばく問題研究会編『内部被曝からいのちを守る』をお読みください。
また、先生監修の『放射線被ばくから子どもたちを守る』も学校・地域保健のなかの副読本として最適(インターネットでもダウンロード可能)かと思います。併せてご覧ください。

 

<レポ・りんごほっぺの会 KM>