かねてより教育委員会を通じお願いしていた、給食センターの栄養士さんたちとの懇談が実現しました。
私達の希望としては、栄養士さんたちと向かい合ってざっくばらんにお話できることだったのですが、期待に反し用意された会場は大きな会議室。教育委員会の方を挟んで左右に遠く分かれての懇談になりました。
はじめに、第二センター栄養士傳田さんによる、給食が出来るまでの説明がありました。
その後、質疑応答の時間が設けられました。
以下、質問者はすべてりんごほっぺの会メンバーです。
文中敬称略。(栄)=栄養士
※この質問は予め用意してきたものであり、懇談に際しお渡ししたレジュメに記載されています。
レジュメはこのページ一番下からPDFでダウンロードできます。
<質問(1)>
国は平成23年11月30日、学校給食に含まれる放射性物質を「1キログラム当たり40ベクレル以下」とする安全の目標を定め、長野県を含む東日本の17都県に通知しましたが、市場で流通する食品は100bq/kg以下だと思います。給食の食材は、40bq/kg以下をどのように確認しているのでしょうか?
回答:給食課課長 小林
これは文部科学省が発表後取り下げた内容です。その後の通知は40bq以下の食材を測れる機器を導入してくれという意味になっています。文部大臣が通達している。けして、40bqの食材を使用すると言うことではない。 市場に流通しているものは安全です。 しかし、私達は放射性物質が検出されたら給食使用は停止します。 東信、南信の過去のデータを伝達活用している。(二回)それは茨城県の霞ヶ浦産のレンコンでした。そこからは納品しない事にしました。今後も検出されたら直ちにストップする予定です。
<質問(2)>
毎月2回の入札(見積)を経て、市の指名競争参加者名簿に登録されている事業者より、食品の品質や安全性を重視した仕入れを行っているそうですが、具体的に誰が事業者を選定するのでしょうか?
回答:第二センター(栄)傳田、第三センター(栄)枝野
事業者と言うよりは組合から購入している。選出するのはセンターの栄養士がしている。 この業者は自校給食の時から契約してきた同業者。自校給食からセンター後、現在組合化して取引きしている。
野菜は継続して同じ業者をつかっている。肉や魚も組合から購入している。 組合の中からの業者から入札している。 第一、第二、第三給食センターは同じ組合から入札している。 お豆腐などは各センターの取引商店が違う。 加工品はいろいろな業者から購入している。
<質問(3)>
納入業者が提出する産地証明書及び放射線検査証明書はどのような検査をしているのでしょうか?(特に測定機器や検出下限値など)。
回答:第三センター(栄)枝野
以前しいたけはロットが変わるたびに業者から証明書が送られてきていた。内容の記憶が定かではない。原木か菌床かや、納品日が記名されている。 放射能測定下限値がいくつに設定されていたかはわからない。 えのきやしめじ、その他のきのこについて放射線検査証明書はもらったことがない。測定機器や検出限界値などは不明。
証明書は各センターで保存しているので、今後開示してもいいのか業者に確認してみる。
<質問(4)>
加工品について、材料となる食材のそれぞれの産地の確認まで行っているのでしょうか?
回答:第三センター(栄)枝野
アレルギーについては証明書をもらっているが、今まで放射能汚染を念頭において産地選定や証明書の有無について確認をしたことはなかった。
今後、加工品の検査も実施していく予定なので機器を活用したい。
<質問(5)>
放射性物質を検出していない(=不検出である)、安心な食材を提供できる事業者の情報を、センター間や栄養士の方で共有していますか?
回答:第三センター(栄)枝野
保健給食課からは厚生省が発表した放射線検出食材資料が届く。 テレビニュースを参考にすることもある。今まで受け持ちのセンターの献立作成などの日常業務が手いっぱいで、他のセンターの献立や情報を交換できる余裕はなかったが、今後情報交換していけたらいいと思っている。
その他、会場にてあげられた質問とその応答です。
※質問はすべてりんごほっぺの会メンバーによるものです。
文中敬称略。(栄)=栄養士
<質問①>
検査食材の選定はどのようにして行われていますか?
回答:第3センター(栄)傳田
一ヵ月に3回機器を使える。同じものの検査が続かない工夫や全コース共通に使用する食材(たまねぎなど)を検査食材にするなどしてきた。 当初は国から検査推進されている 17都道県(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、静岡)の県産を優先してきた。
第二センター栄養士枝野
一週間前に測定食材を選出するので、他のセンター栄養士と連携する時間がなく検査品目が週ごとで重なる事もあった。
<質問②>
茨城県産のレンコンなど、怪しいとおもわれる食材を積極的に検査してもらえないか?
回答:第三センター(栄)傳田
レンコンは千葉県産で、茨城県産は使用していない。
<質問②’>
第一給食センターでは茨城県産のレンコンを複数回使用している。汚染が高いと思われる千葉県産のサツマイモの複数回使用しています。
使用していないと言うのは誤りだと思います。
回答:全栄養士:「・・・・・」
<質問③>
以前和歌山県のみかんと献立表に明記されたことがありましたが、今後献立に産地をのせてもらうことはできませんか?
回答:第三センター(栄)枝野
ミカンの場合は放射能汚染報道と時期のタイミングがたまたまあったからできた。
回答:保健給食課 小林
基本的に食材は当日入荷、みかんは1万2千個入荷する。まれに食材がかわることもあるので不確かな明記はできない。
<質問④>
今月の献立にはきのこのスパゲッティなど、秋のきのこをふんだんに使用したメニューがあります。きのこの放射線証明書を取り寄せていない現状、子供に給食を食べさせることに不安を覚えます。 今から献立変更を行う事はできませんか?
回答:保健給食課 小林
半月前に発注をかけているので、今からメニューを変更する事は物理的、事務的限界がある。
<質問⑤>
きのこ類は給食献立にいれなくてはいけない義務はないと塩尻市広陵中栄養士杉木さんにききました。きのこを入れない献立を作ることはできませんか?
回答:栄養士「・・・・」
<質問⑥>
きのこ類は放射能測定検査証明書を一般開示して、長野のきのこの安全を全国アピールしてください。証明書なしに地産地消を推し進めるだけでは、安心は得られないと思います。
回答:保健給食課 小林
本日はしいたけの証明書や資料を持参してこなかった故に詳しいことは述べられない。
情報開示してもよいかの確認を業者に承諾していないので何も答えられない。
干ししいたけは乾物だから事前購入、事前検査が可能だから今後検討したい。
しかし現状 食材を産地だけで選定することは風評被害になるという認識です。
産地ではなく、茨城県産の霞ヶ浦という地名まで認識出来ればそこの食材は受け入れません。
茨城県産のレンコンは使用していますが、これは霞ケ浦のものではないから安全です。
<質問⑦>
情報開示してくれる業者を選ぶという選択はないですか?
個人的に給食で加工品取り扱いの業者さに電話で問い合わせしたところ、自宅に検出限界値10bqの検査証明書や魚の種類など丁寧な対応で教えて頂けました。業者側の事情で開示が不可能とは思えません。
回答:保健給食課 小林
今すぐは答えられない。
<質問⑧>
給食使用の余った食材を、りんごほっぺで検査させてもらえませんか?
回答:保健給食課 小林
それは無理です。 食材の業者をお知らせできます、そこから購入して頂いて検査してもらうことは可能です。
<質問⑨>
保護者と栄養士さんが直接懇談できる時間はつくれませんか?
回答:保健給食課 小林
給食センターは衛生面に配慮が必要です。私もなかなかセンター内に入る事は難しい。従事されてる方々は日々の生活面から健康衛生面に気をつけていられます。一般者が頻繁に訪れる事は困ります。
<質問⑨’>
給食センター内でなくても結構です。
回答:保健給食課 小林
先生達(栄養士)はとてもお忙しく、お時間がなかなか取れないと思われます。
<質問⑩>
長野市で給食で使用されている雪印スキムミルクからセシウムが検出されています。(※セキュリティトウキョウさんによるゲルマ測定結果資料提出)スキムミルクを使用しないパンを提供できませんか?
回答 第一(栄)和田
スキムミルクについては国からパンに添付するように義務化されているので、栄養士に権限はない。
<質問⑪>
心配される食材についてだけでも献立表に産地を明記し、保護者がたべるかどうか判断できるようにしてもらえませんか?
回答:保健給食課 小林
物理的、事務的限界から無理。
以下は、懇談に際しりんごほっぺの会が提出した給食改善の提案(要望)です。
※返答が頂けるかについてはお答え頂けておりません。
※文中の「資料」は当ページ最下部からダウンロードできる「2012.9.28懇談会資料」を指します。
<給食改善の提案(要望)>
(1)回答書の仕入れ先や業者の決め方について、「食品の品質や安全性を重視した仕入れを行っている」とありますが、産地、入札業者(製造メーカー)などをきちんと調べ、積極的に開示(HPで公開)する。また、心配される食材についてだけでも献立表に産地を明記し、保護者が食べるかどうかを判断できるようにする。
(2)事業者選定の際の参考にできるように安全な食材を提供できる事業者をデータベース化して安全性を高める。
※大町市では、産地だけでなく生産者のレベルまで記録し、信頼できる事業者をデータベース化している。
(3)基準値以下だから安全なのではなく、放射性物質が検出されなかったことが証明されている食材を使用する。また安全を保障する証明書を開示する。
(4)給食食材について、魚や加工品なども積極的に検査する。
(5)汚染された可能性がある地域で生産された食材を使用しない。【資料1、2】
(6)食材の検査においては、移行係数や産地を考慮し、安全性が低いと考えられる食材を検査する。【資料1,2,3,4】
(7)放射性物質が不検出(ゼロ)のきのこ以外、きのこ類は使用しない。【資料5、6】
(8)できる限り、北海道より南の太平洋が産地となる魚は使用しない。
(9)材料の安全性が不確かな練り物などの加工品は使用しない。
(10)ブルーベリージャムや抹茶パン、スキムミルクなどは使用しない。【資料4、7】
マイワシ(千葉)セシウム0.3bq ウラン238娘核種23410bq/kg pa234m23bq/kg
給食は成長期の子供達にとって大切な一食です。優れた栄養バランスとクラスメイトと一緒に食べた楽しい時間は大人になっても忘れません。
これから未来ある子供達のために宜しくお願いします。
保健給食課小林さんからは「市は盲目ではない。次のステップへ進む意欲がある。」とのお言葉を頂きました。 今後ともりんごほっぺのお母さん達と市が手を取り合って、すべてのこどものために前進していけたら幸いです。