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2012年11月 長野県議会に請願書を提出しました

りんごほっぺの会では過去2回、長野市議会に請願を提出してきました。

その結果はこちらで見ることができます。

 

市議会に請願を出してきた中で、これは長野市だけでは解決が難しいと思われることが多々ありました。11月には市議会も県議会も行われますが、今回は思い切って、それを請願として県議会にぶつけてみることにしました。
以下2件です。

 

・主に子どもが利用する施設において、放射性物質の汚染に対する長野県の除染基準値を引き下げるための見直しを求める請願書

・保育園及び小中学校給食における定期的な牛乳の放射性物質検査を求める請願

※リンク先(同ページ下)で請願の全文を見ることができます。

※このページの一番下からPDFでダウンロードすることができます。

 

長野市だけでなく、長野県全体にかかる問題をとりあげた今回の請願。

請願提出にあたっては「放射能汚染から子供たちを守りたい」と等しく願う、

長野県内の、以下団体の皆様にも協賛して頂きました。

 

キッズアース(軽井沢)
■小諸子ども未来を繋ぐ会
佐久のこどもを守る会
放射能を考える佐久地区連絡会
■まつもと給食きになるかい
■放射能から子どもを守る“松本移住者の会”
■子どもの未来を守る会安曇野
■環境と暮らしを考えるグループ「ヨラッテ」(小谷村)
大町の給食を考える会
■こどもの未来を考える会 富士見支部
■こどもの未来を考える会 原村支部
■知ることいっぽの会(木曽)
子どもたちを放射能から守る伊那谷ネットワーク
長野県有機農業研究会 環境部会

 

 

結果、両請願とも「継続審議」となりました。

字面だけみると良い結果のように思われますが、長野県議会において「継続審議」とは体の良い否決です。否決すると議員の評判が悪くなる為に、否決するかわりに「継続審議」とする。ただし一旦そうなってしまうと、実際に審議されることはほとんどないそうで、委員会において係が「次に継続審議となっております○○件ですが、審議の内容に関わる変化はございますか」「ありません」「よって継続審議となっております件に関しましては再び継続とさせて頂きます」で終了です。

現在の長野県議会においてはこの継続審議とされている請願は、各委員会で既に二桁になっており、長野県議会選挙が行われる際にリセットされるそうです。

以下、時系列に沿っての経緯です。

11/27

請願書提出の際には事前に各会派をまわり、請願書内容をみて同意・応援するとした議員さんの署名を頂きます。今回は各会派を2回まわって行いました。
請願に署名してくださった議員さんは以下です。

共産党 石坂千穂議員
無所属改革クラブ 小林東一郎議員
無所属 今井正子議員

※党派代表議員が署名すれば、それはその党派全員が同じく応援してくださるという意味です

この署名を頂いた際に、永井一雄議員(無所属改革クラブ)から「議員は専門でないから請願内容に関して請願書だけではわからない。説明をつけた方が良い。」とアドバイスを頂き、急遽各請願に関してわかりやすいような説明を作りました。

11/30
・「主に子どもが利用する施設において、放射性物質の汚染に対する長野県の除染基準値を引き下げるための見直しを求める請願」の説明書を、この請願が取り上げられます環境委員会委員9名にお配りいたしました。
・阿部知事に両請願書と同内容の要望書を直接お渡ししました。
・今回お力になってくださった今井正子議員(無所属)が議会一般質問で今回の請願に関してお話くださいました。それに対して阿部知事は「さっき要望書を受け取った。放射能のことに関しては引き続きしっかり取り組んでいきたいとお答え。


12/3
・「保育園及び小中学校給食における定期的な牛乳の放射性物質検査を求める請願」の説明書を、この請願が取り上げられます文教委員会委員9名にお配りいたしました。

・加藤副知事と20分間面談し、両請願書と同内容の要望書を直接お渡ししました。加藤副知事のご意見としては、除染基準は国で決まっているので、それ以上のことは各市町村で判断し実行するべき、牛乳は原乳を月2回・2検体ずつ測っているので問題ないとのことでした。

・環境委員会にて、「主に子どもが利用する施設において、放射性物質の汚染に対する長野県の除染基準値を引き下げるための見直しを求める請願」が審議されました。

環境委員会委員は以下です。

※カッコ内は所属会派・地名は選挙区。お名前にはHPなど議員の紹介ページや議員の個人ホームページなどにリンクがはってあります。

委員長 太田昌孝県民クラブ・公明)長野市
副委員長  続木幹夫(改革・新風)塩尻市
委員 
古田芙士自由民主党県議団)飯田市
本郷一彦自由民主党県議団)松本市
桃井 進自由民主党県議団)佐久市・北佐久郡
甕 裕一 (改革・新風)安曇野市
山岸喜昭 (改革・新風)小諸市
諏訪光昭県民クラブ・公明)大町市
藤岡義英 (日本共産党県議団)佐久市・北佐久郡

継続審議を提案したのは諏訪議員(県民クラブ・公明)大町市
賛成 桃井議員(自由民主党県議団)佐久市・北佐久郡
   本郷議員(自由民主党県議団)松本市
   古田議員(自由民主党県議団)飯田市

反対 藤岡議員(日本共産党県議団)佐久市・北佐久郡
   山岸委員(改革・新風)小諸市
   続木議員(改革・新風)塩尻市
   甕議員 (改革・新風)安曇野市

賛成・反対同数ということで、委員長判断で継続審議となりました。
この間あがったのは、継続審議にするという提案のみ。内容に関する意見のやりとりはゼロです。

12/5 文教委員会にて「保育園及び小中学校給食における定期的な牛乳の放射性物質検査を求める請願」が審議されました。

文教委員会委員は以下です。

委員長 小島康晴(改革・新風)飯田市
副委員長 清水純子県民クラブ・公明)上田市・小県郡
委員    
村石正郎自由民主党県議団)須坂市・上高井郡
風間辰一自由民主党県議団)長野市
今井 敦自由民主党県議団)茅野市・富士見町・原村
野澤徹司 (改革・新風)岡谷市・下諏訪町
両角友成 (日本共産党県議団)松本市
宮本衡司 (県政ながの)飯山市・下水内郡
今井正子 (無所属)佐久市・北佐久郡

今井議員と両角議員がそれぞれ挙手し、牛乳検査の必要性について訴えてくださいましたが、その後、宮本議員 (県政ながの)が継続審議を提案

継続審議賛成
清水議員(県民クラブ・公明)上田市・小県郡
村石議員 (自由民主党県議団)須坂市・上高井郡
風間議員 (自由民主党県議団)長野市
今井議員 (自由民主党県議団)茅野市・富士見町・原村
野澤議員 (改革・新風)岡谷市・下諏訪町
宮本議員 (県政ながの)飯山市・下水内郡

反対
今井正子議員(無所属)佐久市・北佐久郡
両角議員(日本共産党県議団)松本市

賛成多数で、継続審議に決定いたしました。

審議は午前中行われ、お昼休みの間に今井議員が県の農政部農業政策課の方を呼んでくださり、お二人に原乳の流通と放射性物質検査についてお話頂きました。
ただ、私達が訴えているのは原乳ではなく牛乳の検査であることをお話しますと、それは農政部の管轄外になるとのことでした。

原乳サンプルの不検出=製品の安全ではないこと、不安に思っていることは農政部の方には伝わったと思いますが、先日の懇談で加藤副知事にはご理解頂けなかったようです。


今回の請願に関しましては残念な結果に終わりましたが、私達が県議会におじゃましたのはこれが初めてですし、もちろん最初で最後にするつもりはありません。市議会以上に県議会は派閥がものをいうこと、請願が聞き届けられにくいことなど、知ることも多くありました。今後の活動に経験を生かしたいと思います。


 

 

主に子どもが利用する施設において、放射性物質の汚染に対する長野県の除染基準値を引き下げるための見直しを求める請願

主に子どもが利用する施設において、放射性物質の汚染に対する長野県の除染基準値を引き下げるための見直しを求める請願

請願趣旨

 昨年3月の福島第一原発の事故により、深刻な放射能汚染が起こったことは周知の通りです。
 放射性物質の汚染に対し、長野県が定めた除染基準値は、「地表の空間線量が毎時1μSv以上」です。
 しかし、そもそも「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射性同元素等による放射性障害の防止に関する法律施行規則第1条第1号他)」、「労働安全衛生法令(労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則)」、「人事院規則10-5」」により、放射線管理区域は実効線量が3ヶ月間1.3mSvと定められています。これを毎時に直すと0.6μSvとなります。
 ここ長野で、放射線管理区域以上の除染基準値が定められるのはなぜでしょうか。
「管理区域において、事業者は必要のある者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない」と、労働安全衛生法令にあります。しかしながら、現在の長野県の除染基準値のままでは、幼稚園や学校の施設内においても、放射線管理区域以上の汚染があっても除染がされないということになります。ちなみに、私たちが土壌を測定したところ、長野市内の学校敷地内においてCs134、Cs137合算にして1000Bq/kgの汚染も発見されています。これは、同法律・人事院規則(人事院規則10-5)「表面汚染密度にして、α線を放出するもの:4Bq/cm²(=615Bq/kg)、α線を放出しないもの:40Bq/cm²(6150Bq/kg)の10分の1」の基準を大幅に超えるものです。震災前と後では、厳重に管理されるべき放射線管理区域の方が安全となってしまっており、矛盾を隠しきれません。
 こうした矛盾を撤回すべく、県内では小諸市が独自に、保育園及び小中学校施設内においては地表で毎時0.23μSvの除染基準を設けた取り組みを行っています。他県でも、0.6μSv以下の除染基準値を設けて放射性物質の除染に取り組む自治体が見られます。
 放射性物質による低線量被ばくが人体にどのような悪影響を与えるかは、明らかになっていません。10年後、20年後になってから現れる晩発性障害や遺伝的影響も非常に危惧されます。長野県は他県に比べると放射能汚染としては低汚染地と言えるかもしれません。しかし、低汚染地なら低汚染地なりに、子どもたちが安心して過ごせる環境を整えるべく、原発事故前の水準に近づける努力を続けていくことが大人の責務だと考えます。
 除染基準値のみならず、空間線量で放射能汚染を判断する現在の方法が果たして本当にふさわしいのか、チェルノブイリのように放射性物質の量(ベクレル)で判断した方がよいのではないか、などまだまだ検討すべき課題が多くあります。
 今こそ子どもたちを守る最善の方法を考え、現在の対処を見直すべく、次のことを請願致します。

請願項目

主に子どもが利用する施設において、放射性物質の汚染に対する長野県の除染基準値を引き下げるための見直しを行うこと

 

 

 

保育園及び小中学校給食における定期的な牛乳の放射性物質検査を求める請願

保育園及び小中学校給食における定期的な牛乳の放射性物質検査を求める請願

請願趣旨

  昨年3月の福島第一原発の事故により、深刻な放射能汚染が起こったことは周知の通りです。放射性物質による低線量被ばくが人体にどのような悪影響を与えるかは、明らかになっていません。10年後、20年後になってから現れる晩発性障害や遺伝的影響も非常に危惧されます。長野県の子どもたちが放射能による健康被害を受けないために、直ちに出来る限りの対策をとることは、私たち大人の責務です。
 これまで、県の学校給食に使用する食材の放射性物質検査では、牛乳、加工品などの品目は検査の対象外でした。しかし、文部科学省からの委託事業として、学校給食に放射性セシウム134と放射性セシウム137がどれくらい含まれているかを検査するモニタリング事業が10月中旬から始まり、1週間分(5食分)の給食を丸ごと検査するようになったことで、牛乳や加工品も検査されるようになりました。
 とはいえ、「丸ごと検査」では、食品単体としては数値が出る食品でも、他の食品と混ぜ合わされることで濃度が薄くなり、汚染された食品であっても不検出として扱われてしまう事が懸念されます。
 特に牛乳は毎回給食に出され、なおかつ摂取量も多いので、汚染があった場合に受ける影響は他の食品と比べて大きいと考えられます。放射性物質が少しでも検出されたら給食の食材として使用しないという県の方針が最大限生かされるよう、次の請願項目を求めます。

請願項目

1 保育園及び小中学校給食において牛乳の放射性物質検査を定期的に行うこと。
2 検査の際には、文部科学省からの委託事業と同様に、検出下限値1Bq/kg以下で検査すること。

 

 

 

主に子どもが利用する施設において、放射性物質の汚染に対する長野県の除染基準値を引き下げるための見直しを求める請願書
請願改1.pdf
PDFファイル 80.0 KB
保育園及び小中学校給食における定期的な牛乳の放射性物質検査を求める請願書
請願改2.pdf
PDFファイル 57.1 KB